武蔵野の風景を情緒あふれる筆致で描き人気の洋画家 木村秀夫氏の油絵 と、今は殆ど失われてしまった50年前の武蔵野をカメラに収めた 高橋嬉文(コンティーナ画廊主)の写真 による懐かしく郷愁を誘う共演です。
明治31年(1898) 国木田独歩が小説 武蔵野 を表し、また、欺かざるの記 の中で「余は東京府民に大いなる公園を供せん」と書いた。以来 首都東京の郊外である武蔵野と云われる地域は、多くの人々に愛され、文学や芸術が生まれ、ここを故郷とする人も多い。
昭和30年代の中ごろまでは、独歩のいう自然と生活が混然一体となって、得も言われぬ情緒のあった武蔵野は同時に首都の食料を賄う農村地帯でもあった。その武蔵野も昭和30年代からの経済の膨張と人口増加に伴って開発が進み、すさまじい変貌を遂げた。
今回の展覧会は、独歩に傾倒し、武蔵野を愛する二人の青年の展覧会です。
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武蔵野の林・木洩れ陽の道 P30
冬の欅(狛江市) 1962・2月
街道の屋敷林
(入間郡三芳町) F8
新緑の玉川上水
(福生市) F4
街道筋(小平市)
1961・9月
雑木林の道
(小金井市) 1961・3月
雪景の里山 (武蔵村山市・岸田んぼ) P12
雪に暮れる (狛江市) 1962・1
月
夕なずむ F10
椿地蔵 (調布市) 1960・9月
木村 秀夫 (1954~) 小金井市生まれ、都立武蔵高校卒。
国木田独歩と武蔵野に惹かれ、また、TVの「徹子の部屋」を通じて武蔵野を描く画家 悳 俊彦氏に出会い感銘を受け、西洋料理のシェフから画家に転身。新聞各紙やTVなどに取り上げられる。
武蔵野の風景を主として全国の里山を描き続ける。著書「我、武蔵野を独り歩く(随想)」 1985年刊
高橋 嬉文 (1938~) 相模原市生まれ、都立小金井工業高校卒。
高校の教科書で国木田独歩の「武蔵野」に感動。以後勤務の合間に、当時自然破壊と開発が進み、失われゆく武蔵野を撮影。「武蔵野の日々」(写真と詩文集)を自費出版 1967年刊。
現在、画廊 ギャラリーコンティーナを経営。開廊25年を迎えた。
☆ 50年前の武蔵野の風景写真100枚を収録したDVD完成。¥3,000(税込)
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